がみにっき

しゃべるねこ

MENU

就活失敗したゲイだけど死なずに生きてる 6

高3を控えた春。前回の冬季講習で浮かれていた私は、美術室で1人でデッサンをしていた。鉄矢からの課題を黙々とこなす。途中どうやって描くかわからない部分があれば、東京藝大や多摩美・武蔵美の合格作品を見ながら描いていた。 私が受けようとしている大学…

就活失敗したゲイだけど死なずに生きてる 5

東京から戻った私は、しばらくの間放心状態だった。頭の中であの日の出来事を反芻する。たった2日の出来事とは思えないくらい、自分の中で何かが変化したのは感じた。しかし、それがなにかはよくわからない。夏休みが終わってクラスの馬鹿騒ぎが聞こえてきて…

就活失敗したゲイだけど死なずに生きてる 4

冬季講習でかなり自信がついた私は、そこから次の春季講習まで地面から1センチくらい浮いていた。たぶん、天使の輪っかもあった。学校生活で認められず、自分の見た目も好きになれない日陰者。そんな私に、1番が与えられたのだ。もっと褒められろ。見返して…

就活失敗したゲイだけど死なずに生きてる 3

春、高校2年生になった。私の科は2年になると、部活動推薦での受験を目指す1組と、勉強で資格を取り推薦を貰う2組に分かれる。もちろん私は2組だ。 この学校ではセンター試験を利用して受験をする生徒は皆無。大昔に1人だけ慶応に受かった人がいたらしいが、…

就活失敗したゲイだけど死なずに生きてる 2

扉を開けて出迎えてくれたのは3年の美術部の先輩だった。慣れているのか、くだけた感じで話してくれた。先輩はどうやら部長とのこと。男子生徒は自分だけで、他は全員女子と聞いていたので不安だった。ひとまず、挨拶した。部長は"ゆう先輩"と呼ばれているら…